平成中村座 11月10日昼の部 [舞台]
昨日、曇り空の下、平成中村座へ行って参りました。
今月から7ヶ月連続のロングラン公演。どうなることやら・・・。
今回は2001年に中村座が始まった時と同じ隅田公園。これまで数回設営された浅草寺境内よりも浅草駅からはちょっと遠いです。友人と浅草駅で待ち合わせてのんびりお散歩。
川の向こうにはスカイツリー。真正面に見えます。中村座の入り口から・・・。
あとは浅草のよ兵衛さんというお店の揚げ餅を購入。
今回は松席。平場のいちばん後ろの席でした。座椅子が設置されている(しかも木ねじで固定されているので行儀悪くしていても座椅子がズレる心配なし!)ので、ずいぶん楽チンでした。立ったり座ったりがちょっと大変だけど、竹席以下の椅子席よりもくつろげます(笑)
天井からは大きなちょうちん。定式幕も中村座バージョン。
さて、お芝居の感想を簡単に。
「双蝶々曲輪日記 相撲場」
濡髪長五郎を橋之助、山崎屋与五郎と放駒長吉の二役を勘太郎で。勘太郎の成長が感じられて満足の出来です。勘太郎丈は細面でこれまでそれほどお父さんに似ていると思ってなかったのですが、少しふっくらしてきたのか、もうぼちぼち30歳という年齢もあるのか、勘三郎丈に似てきましたね。目標としているのでしょうから演技や身のこなしが似てくるのは当然でしょうが、声がそっくり。来年2月の勘九郎襲名が楽しみです。
濡髪の自信にあふれた関取ぶりを橋之助丈がゆったりと演じて安定感あり。ぽっとでの放駒を手のひらでころがしてる感じでしょうかね。それに対してころがされっぱなしの放駒。可愛らしい。そしてぼんぼんの与五郎。またこれがじゃらじゃらとしたボンボンでかわゆいのですね。
放駒から与五郎へ早変わりするときに、花道の下を爆走している勘太郎くんのバタバタっという足音が花道下から聞こえてきて、臨場感たっぷり。これが中村座だよなぁ〜。
「お祭り」
役者さんが大病から復帰するときに踊るお約束の演目。鳶頭を勘三郎丈が。奈落からせりあがってきた勘三郎丈の姿は少し痩せてすっきり。お約束の大向うさんからの「待ってました!」という声に「待っていたとはありがてえ」とかなりあっさりとした返し。このあっさりさは意外でした。途中、片足でまわるところなどで少しふらっとしたような気もしたのですが、まぁ、なにはともあれ勘三郎丈のおめでたい復帰の一幕。
最後に決まった後、舞台後ろがあけられ、そこにはスカイツリーの姿が。見事な借景。でも近すぎてスカイツリーは半分くらいしか見えない(^ ^;
「義経千本桜 渡海屋 大物浦」
仁左衛門丈を迎えての渡海屋と大物浦。う〜ん、やっぱり仁左様、ステキです・・・。
そして孝太郎丈の典侍の局もよかったです。孝太郎丈も少しお年を召してきてこういう威厳の必要な女形がしっくりするようになってきました。姫様や娘役よりこういう時代物のお役のほうが似合う気がします。
こういう時代物の出し物がすごく中村座という芝居小屋にしっくりきます。息をつめて観客が役者さんの芝居に引き込まれる・・・。役者さんたちと観客の距離が近いからこそ、なんでしょうね。
どうもこれまであまり好きになれなかった渡海屋と大物浦でしたが、今回は芝居の世界に引き込まれて楽しめました。知盛の無念さ、典侍の局の無念さ。歴史に「もし」はないわけですが、切ないですね。
ということで、楽しめました、中村座。
平日の昼間ということで、かなりシニアな客席。ステキなお着物の方が多かったですが、平場席でずっと正座・・・のおば様方の体力に感心しましたです。
トイレは結構な数を設置してあることと案内のお姉さん方の捌きがすばらしいので、行列は長くてもわりとさっくりと進みます。あとは、昨日は冷え込むとの天気予報だったので厚着していったのですが、小屋の中は意外と暖かいというか暑いくらいで汗をかきかきの観劇になってしまいました。脱ぎ着ができるような服装で行かれることをお薦めします。幕間に舞台の後ろを開けて大道具を出し入れしているようだったのですが、その時に外のひんやりした空気が入ってくるのが救いでした(笑)
3時少し前に終演。帰りに売店で友人が小山三さんストラップを購入してました。「長生きにあやかろう」と書いてありましたよ。ほんとにお元気でなによりです。
浅草寺でお参りして、花園であんみつ食べて帰ってきました。
次は来週末に夜の部を観劇です!
コメント 0