「悪い恋人」井上荒野(朝日新聞出版) [本]
はっと気がつくともう4月も終わり・・・。あさってからゴールデンウィークではありませんかっ。
でも運気停滞中の我が家、今年はゴールデンウィークは関係なしだなー。
- 作者: 井上荒野
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/12/05
- メディア: 単行本
- 郊外の土地持ちの息子と結婚し、二世帯住宅に住む沙知。夫と一人息子と義両親との暮らしに特段問題はなく、でも特段幸せという雰囲気もなく。
- そんな一家の住む住宅地の裏山が伐採され、宅地として販売されることに、
- 義両親や夫、そして近所の人たちは開発反対運動にいきりたつ。
- 何事にも淡々としている沙知は、不動産会社の社員となった中学時代の同級生勲と再会。あっという間に不倫関係に。
というのが、物語のさわり。
ある主婦のほんの数ヶ月の出来事を切り取ったような小説で、特別オチらしきオチもないし、「悪い恋人」というタイトルが醸し出す背徳的な恋が繰り広げられるわけでもなく。
なんだかなーーーって気持ちのまま読了。
でもね、登場人物がみんなちょっと変なのです。変になっていくのか、沙知の気持ちの変化に従って、家族の言動が奇妙に感じられてくるのかはわかりませんが、みんな何かに取り憑かれたようにちょっとずつ現実からズレた行動をとりはじめるのです。
不条理劇なのかなぁ。
沙知夫婦が毎朝、前夜に見た夢をお互いに語り合うという奇妙な習慣が、この物語が不条理劇であることを象徴しているようにも感じたのだけれど。夢ってたいてい不条理でしょ。つじつまが合うこともまずないし。
ということで、なんだか楽しめなかった・・・のでした。
コメント 0