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「きみはいい子」(おうちで) [映画]

お盆です。今年は夫がお盆ではなく月末に夏休みをとるというので、カレンダー通りの我が家。
でもわたしはなんとなくお盆休みモードで今日は録画しておいた映画を観てしまいました。
(仕事しないといけなかったのに・・・)

きみはいい子 Blu-ray

きみはいい子 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray

小説が結構話題になっていたので、存在自体は知っていたものの、なんかタイトルが好みではなく、原作の小説は未読でした。
wowowのガイドであらすじ読んで、観てみようかな〜と。


岡野は、桜ヶ丘小学校4年2組を受けもつ新米教師。まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えない性格ゆえか、児童たちは言うことをきいてくれない。雅美は、夫が海外に単身赴任中のため3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友らに見せる笑顔の陰で、雅美は自宅でたびたびあやねに手をあげてしまう…。ひとつの町で、それぞれに暮らす彼らはさまざまな局面で交差していく。(「Oricon」データベースより)

上記あらすじでは触れられていませんが、もうひとり、主要な?登場人物として認知症を患う一人暮らしで身寄りのない老女と学校帰りに彼女の家の前を通る自閉症の小学生の男の子との交流が描かれます。

新米小学校教師の「こんなはずじゃないのにーーー」という戸惑いや苛立ち、そして娘を虐待してしまう雅美の誰にも頼れない、自分が親に叩かれて育ったのに「こんなはずじゃなかったのに」という自己嫌悪。戦争に青春時代を奪われ生涯独身だったらしき老女。
この3人にはそれぞれ、迷宮から抜け出すきっかけを作ってくれる理解者が現れます。
意図的だったり、意図的じゃなかったり。

事件になる一歩手前の危ういところを、大抵のひとはなんとか踏みとどまっている。
岡野が同居している甥っ子にしがみつかれ、がんばれがんばれ、と励まされたことをきっかけに生徒たちにだす宿題。
家族や、自分のことを心から思ってくれているひとに抱きしめられるのは、確かにいいと思う。
けれど、それが叶わないこどももいる。そんな生徒への岡野の行動、吉とでるか凶とでるか。
それは結局観た人に委ねられるという結末。

これから一波乱?!と思ったところでエンドロールが流れる展開に、ちょっと拍子抜けしてしまったけれど、エンドロールが終わった後はそれなりに納得感。ひとりひとりが心の中で、希望をもつ結末を用意すればいいんじゃないかなというのがわたしの感想です。

それにしても尾野真千子の鬼気迫る演技も見ものだけど、おのまち演じる雅子のママ友役の池脇千鶴の存在感、いい味だしてます。はっきりとは触れられないけど、その彼女の夫は小学校教師という設定で、岡野をいろんなかたちで励ます特別支援学級の教師がおそらくそうなんだろうと思わせる演出。
彼と出会って結婚したからこその今の姿なんだなということがすんなり感じられます。

いい意味で期待を裏切られた作品。小説も読んでみようと思います。
([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)

([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)

  • 作者: 中脇 初枝
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2014/04/04
  • メディア: 文庫

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