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「最後の秘境 東京藝大」二宮敦人(新潮社) [本]

寒かったり暖かかったり・・・。調子がなんだか出ませんね。


最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

  • 作者: 二宮 敦人
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)







去年のベストセラーです。
小説家(ライトノベルの作家さんの様子。まったくわからない分野なので「へー」ってかんじ)の著者は、妻が現役の藝大生で、彫刻を専攻しており、その妻の様子から藝大という未知の世界への関心をいただくことになり2年ほどかけて現役の学生や卒業生にインタビューを行いまとめたもの。

美術と音楽の両方を擁する特殊性、そして何より国立であり長い歴史をもつ東京藝大。芸術には縁がなくとも、藝大卒というキャリアを見聞きすると無条件に「へー、すごいね!!」って思ってしまいますよね。
わたしが愛するSuicaのペンギンの生みの親、さかざきちはるさんも東京藝大のご出身です。

書評などでは破天荒ですごいみたいな書かれ方してましたが、最初から最後まで読んでみると、芸術を志す人たちだもの、これくらい当たり前なのでは?という気もしました。
なんか、読んでるうちに、わたしも音楽習ってみたくなったなー。
幼稚園のときにオルガン教室で挫折して以来、いつか弾いてみたいピアノ、とかね。

芸術で生きていくのはほんとに大変。
中学校の時の音楽の先生のことを思い出しました。彼女はわたしが中1か中2のときに新卒で赴任してきて、わたしが所属していたブラスバンド部の顧問になってくれたんだけど、先生は声楽の人で、合唱部がなかったこと、専門外のブラスバンド部を指導しなくてはいけなかったこと、そしてなによりブラスバンド部のレベルが低かったこと(そりゃ当然で、それまでもちゃんとした指導をしてくれる先生はおらず、素人の中学生たちが見よう見まねで音をだしていただけだったのですから)がたいそう不満だったようで、ある日、部活の最中にキレてしまい・・・。
今でも覚えている先生の発言が、
「私はまだ歌の道を諦めたわけじゃないのよっ」
というもの。今では先生の名前もその発言に至った経緯も忘れてしまったけど、妙にこの発言は覚えているのです。
かなりヒネたコドモだったわたしは「いやいや、それ先生の問題であって、今わたしたちにそれ言われても」って呆れていたんですけどね。
大学卒業したての22歳、まだまだ夢と現実のあいだで割り切れない気持ちを抱えていたんだろうなと、そのときの先生の倍の年齢となった今のわたしなら思いやることができるけども。

芸術の道は大変ですが、広義のアートなしに生きられないのも人間なのであって・・・。なかなか難しいですね。


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