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「蘇我の娘の古事記」周防柳(角川春樹事務所) [本]

今日は病院に行くためにわざわざ仕事を休んだのに、検査前は食事をしてはいけない・・・という基本中の基本をすっぱりと忘れてしまい、のんびり朝ごはんを食べてしました。出かける準備をしようとしたときに、「・・・あ!!!」と気がついて病院に確認して見たところ、やはり腹部エコー検査は朝ごはん食べてしまうとNGとのこと。とほほほほーーー。その後、銀行でも自分のミスのせいで2時間も時間を費やすことになったりと踏んだり蹴ったりの1日でした。


今年の話題の1冊らしいです。書評でわたしは見つけて図書館で予約しました。
懐かしの大化の改新の年に生まれたコダマという渡来人の家の娘とその兄のヤマドリ。この二人の成長とともに、激動の歴史模様が描かれていきます。
コダマは幼い頃に原因不明で失明してしまったのですが、そのかわりというべきか、おそるべき記憶力で、古老から聞いた言い伝え、伝説の類を一字一句覚えてしまうという能力を持っており、章ごとに、幼いヤマドリとコダマの兄妹がいろんな神話(古事記にでてくる国つくりのはなしとか、因幡の素兎とか)を聞く場面が挟まれます。
渡来人の文官である船一族はやがてコダマの出生の秘密がもとで、政治的に危うい立場に立たされ、やがて時代の大きな波に巻き込まれていく・・・という悲しいおはなし。
コダマの造形が見事なので、悲しいお話なのにあまり悲壮感がなくて、爽やかな読後感です。
それにしても、やはり歴史って、勝者が作るものだから、敗者の視点からみるとまったく違うものに見えてきます。この時代についての知識って、10代の頃読みふけっていた「天上の虹」がほぼ全てなので、大海人皇子と鵜野讃良の夫婦がなかなかなワルとして描かれていて、大友皇子側からみたらそうよねーとしみじみ感じました。
「天上の虹」、途中で読むのやめちゃったんだけど、最後はどうなったのかなー。きになるわー。

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