「島へ免許を取りに行く」星野博美(集英社インターナショナル) [本]
戸越と五島というわたしにとってふたつの馴染みのある場所が登場します。
うん、なんだかそれよくわかる。わたしもまさにそんな気分だから。でも今のわたしにはちょうどいい目標が頭に浮かばないけど・・・。抽象的な目標ではなく、手が届かなそうで届きそうな、具体的な目標が欲しい。それを達成できたら、この先も少しがんばれるような気がする。
で、星野さんは合宿で免許を取ることにした。あの田舎の自動車学校に泊まり込んでみっちり講習を受け、2週間で免許が取れる!ってやつですね。彼女が選んだのは長崎は五島列島にある五島自動車学校。長崎が好き、馬に乗れる(なぜか牧場併設)、そしてなにより年齢制限がない。そんな理由で2週間の合宿に入ったわけですが・・・。
そこからの四苦八苦はたぶん、免許取得に苦労した人には「わかるわかる〜〜〜」って感じだと思いますが、残念ながらわたし、自動車免許はストレートで取れたクチなので(ちょっと自慢)、バックしていてハンドルをどっちにきればいいのか?なんてこと迷ったことないのでよくわからない・・・。それよりも時々登場する彼女のクラスメートである各地から集まってきた若者や地元で暮らしていて免許を取りにきた人たちの人生が垣間見えるのが興味深い。星野さんにとっては旅先である五島も地元で暮らす人たちには日常。プラスにもマイナスにもなる僻地の暮らしは、かつてわたしも経験しただけになんだか身につまされます。といってもわたしは子供の頃の経験でしかないし、それって30年も前の話だから今よりはずっとのどかだったものねぇ。
星野さんは結局自動車学校卒業に4週間もかかかり、ようやく家族と暮らす品川区戸越に帰ってきた。で、今度は都会での運転の練習をお父さんと1ヶ月みっちりすることになるのだけど・・・。このお父さんとのやりとりが爆笑もの。こんなおそろしい親子が運転する車の後ろは走りたくないわ。ちなみに五島には片側2車線の道路なんてほとんどないし、信号だってかなり珍しい。その上、線路もありません。もちろん高速道路もないしね。普通でも自動車学校で練習した運転はそのまま路上に出るとあまり役に立たないところも多いのに、なおさらですよ・・・。
トップページにこの本が紹介されています。
そしてやっぱり星野さんがそのロケーションに夢中になったとおり、自動車学校の目の前はそれはそれは美しい白浜です。そしてほんとうに馬がいます・・・。農作業のアルバイトをしながら免許が取れるコース、というのまであります。頑張ってるなぁ。
カオリさんの記事を読んで、おもしろそうだったので
早速、図書館へ予約してみました!
が、23人待ち(>_<)
読めるのは、来年になりそーです。
by ゆみっぺ (2012-12-06 12:21)
私も合宿免許(山形県)で免許をとったので、
この本、すごく読んでみたい!
ご紹介ありがとう!!
・・・でもペーパードライバーなんです(哀)
by kino (2012-12-08 23:16)
>ゆみっぺさま
23人でしたか〜。わたしは1ヶ月待ちくらいでした。こういう地味目のエッセイって冊数が少なくて、予約待ちが少なくても時間がかかったりするんですよねぇ・・・。でも面白いから楽しみに待ってくださいね。nice!ありがとうございます。
>kinoさま
ぜひぜひ読んでみてくださいね!
kinoさんも合宿で免許とったんですね。不思議な世界だなぁとこの本読みながらしみじみ思いました。若くないと無理だ〜〜〜。
by カオリ (2012-12-11 22:54)
やっと、図書館から借りれて読みました!
免許が取れた後のお父さんとのやりとりも爆笑でしたが
教習中の星野さんも面白かったです!
自分が教習所通ってたときは
あんなに先生に質問とかしなかった(笑)
星野さんの他の本も読みたくなりました!
by ゆみっぺ (2013-02-27 17:53)
>ゆみっぺさま
たぶん、20歳でとる免許と40歳でとる免許って全然ちがうものなんだろうなって気がします。
世界の変わり方が違うんだろうな〜。
確かに、先生に質問するって思いもよらなかったような気がします。あまりに昔であんまり思い出せないけど(笑)
星野さんの「コンニャク屋漂流記」http://yasagurekaori.blog.so-net.ne.jp/2013-02-07
も面白かったですよ。
by カオリ (2013-03-06 14:19)