「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」森達也(集英社新書) [本]
最近、新書づいています。
日経BPのやっている日経ビジネスオンラインというサイトで「毎日1冊!日刊新書レビュー」というコーナがあり、そこを読んでいるといろいろと面白そうな新書を発見してしまうのです。基本、あっという間に読めますしね。
ただし、この本は他のところで見つけたのですが。
15のおとぎ話や昔話、果ては芥川の「蜘蛛の糸」までをバロディーにして現代に置き換えていきます。どちらかというとよくあるストーリーを借りたエッセーですね。たまに見かける童話の完全な後日談の創作とも違います。みんながよく知るストーリーは話の切り口に過ぎないかんじです。個人的に笑ってしまったけど、切なかったのは「仮面ライダー」の巻。ショッカーは会社組織になっていて、戦闘員(黒いひとたちですね)は福利厚生の一環として大井町のガード下で飲み食いができるという設定に爆笑。いそうなんだもん、大井町。
ラストは戦闘員の選択が切ない。みんなに家族がいて、生活がある。
そしてこの巻は先日紹介した岡田斗司夫の「世界征服は可能か」に通じるところがあります。
ということでどんな人にお勧めしたらいいのか、いまいちよくわからない作品ではありますが、さらっとよめてクスっと笑えて考えさせられる、そんな1冊です。
王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)
- 作者: 森 達也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 新書
コメント 0