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「白のファルーカ」槙村さとる(集英社文庫) [本]

先日の、フィギュアスケートグランプリファイナルで浅田真央ちゃんのみごとなトリプルアクセルを見ていたら、フィギュアスケートに夢中になっていた頃を思い出し、ついでに本棚からこの作品を引っ張りだしてきてしまいました。



白のファルーカ (1) (集英社文庫―コミック版)

白のファルーカ (1) (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: 槇村 さとる
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 文庫



高校生の樹里は、弱小クラブでアイスダンスを習っている。憧れの男子シングルの選手松木恵が試合中の大けがで、シングルのジャンプはもう跳べないからとアイスダンスへ転向。そのパートナーに選ばれたことから彼女のスケーターとしての人生は大きく動き出します。

まっすぐで、愛こそがすべて、と心の底から信じている樹里。反して、恵はその複雑な家庭環境から他人を踏みつけても勝つことがすべて、と信じている。そんなふたりがぶつかりあいながらお互いを信頼しあい、かけがえのない存在として滑りはじめる、というのが前半のテーマ。だとすると、最初からストーリーの端々にちょろちょろと登場していた日本とスペインのハーフ、海堂恩。後半は海堂が大きく二人に関わってきて、二人の人生に影を落としていきます。
そしてその樹里、恵、海堂の葛藤の軸にあるのが、実は恵の父親の松木剛。世の中カネがすべてという風な、イヤなかんじの実業家に描かれていますが彼の隠された過去がこの長編の哀しい物語の発端だったのでした。

高校生の頃、ほんとに夢中になって読んでいた作品で、おかげでフラメンコやフィギュアスケートに興味を持つようになりました。

樹里のまっすぐさ、それを支えている樹里の祖母(樹里の両親は10年前にスペインで事故死。この事故死も松木剛を巡る因果のひとつ)の気っ風のよさにほれぼれしつつ、恵の暮らす山の手の裕福だけど長い時間をかけて冷えきってしまった家族の関係にぞっとするという、その世界の対比が見事です。その他にもいろいろな相反する世界が描かれながらストーリーは進んでいくのですが。

連載当時、ほんとに人気がなかったそうです、この作品。ワタシは大好きだったんだけどなぁ。求む!ファルーカ大好きの方!



白のファルーカ (2) (集英社文庫―コミック版)

白のファルーカ (2) (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: 槇村 さとる
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 文庫



白のファルーカ (3) (集英社文庫―コミック版)

白のファルーカ (3) (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: 槇村 さとる
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 文庫



白のファルーカ (4) (集英社文庫―コミック版)

白のファルーカ (4) (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: 槇村 さとる
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 文庫



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コメント 4

satoco

読んでおりました。懐かしいです。
もうかなり以前なので記憶もとびとびですが、樹里ちゃんが進路の希望にカルガリーオリンピックと書いた場面が印象に残ってます。シングルやペアではなくアイスダンスっていうのが当時の漫画としては珍しかったですよね。
by satoco (2008-12-24 15:14) 

カオリ

>satocoさま
ありました、「カルガリー五輪」って書いて、リンクへ飛び出していくんですよね。この作品で、そういえばアイスダンスというものを知ったのでした。
nice!ありがとうございます。


by カオリ (2008-12-25 10:53) 

Luis

私は「愛のアランフェス」を思い出しました。
懐かしい。

by Luis (2008-12-29 03:10) 

カオリ

>Luisさま
「愛のアランフェス」もリアルタイムではありませんが、読みました。「白のファルーカ」の筒見コーチ夫妻が主要登場人物で登場するんですよね。懐かし〜。
by カオリ (2009-01-05 19:06) 

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