「架空の球を追う」森絵都(文春文庫) [本]
最近、また調子悪しで、横になっていることが多かったので読書が進みレビューが追いつきませんっ!
森絵都さんの短篇集。直木賞受賞の短篇集「風に舞いあがるビニールシート」で一気にファンになってしまったワタシ。8月の文春文庫新刊だったのでいそいそと購入しました。
11編の短編が収録されています。かなり短いものから普通に短いものまで。表題作の「架空の球を追う」なんてすごく短い。少年野球チームの練習風景をスケッチ風に切り取った作品なのですが、まるで自分がそこにいて、見えないボールを追いかけているような気分になります。
個人的に気に入ったのは「ドバイ@建築中」
ドバイに婚前旅行にやってきたそう若くもない、結婚目前のカップル。お互い、打算や見栄など純粋な恋人同士とはちょっと違うものを抱えつつ、この旅にのぞんでいる。日本にいたときには繕っていたものが、灼熱の砂漠の街、しかも未だ発展の途上にある街ではポロポロはがれてくる。メッキがはがれたときにふたりがとった行動とは?
もっともっと読みたいなぁと思わせてくれる作家さん。寡作なのがとってもカナシイわ。
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