「真夜中のマーチ」奥田英朗(集英社文庫) [本]
夏の文庫フェアで発見。この作品はまだ奥田さんのなかでは未読だったので購入。
怪しげなお見合いパーティーを主催する自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、自分が主催したパーティーで三田総一郎と出会う。総一郎を三田財閥の御曹司だと誤解したヨコケンは彼を利用しようと目論んだものの、彼はただのダメサラリーマン。ひょんなことから渋谷を仕切るヤクザから金を巻き上げようとした彼らはさらにもうひとり正体不明の美女クロチェに出会い、3人はある計画を立てる・・・。
テンポよく、夜の東京を舞台にストーリーが進むので、ページをめくるのをやめられません。クロチェの目論見がなんなのか・・・。1/3ずつ、ヨコケン、総一郎、クロチェのそれぞれの視点で物語が進むので、ヨコケンの自分語りと総一郎からみたヨコケン、クロチェからみたヨコケンとギャップがあって、それも奥田作品らしいクスリという笑いにつながります。「自分」って、自分一人では成立しないんだということがよくわかります。他者からみた自分と自分自身の思ってる自分を足して割ったものが「自分」なんだな〜、と。
あっさり目ですが、十分楽しめる1冊です。
奥田英朗さん、大好きです。
私もこれは未読なので、読んでみたいです。
by margarita (2011-09-27 06:57)
>margaritaさま
ぜひ読んでみてください! 気軽に読めました。
by カオリ (2011-09-27 12:05)