「ハタラクオトメ」桂望実(幻冬舎) [本]
この前、なんとなくつけたTVで100キロくらいの女の子たちを痩せさせる、って番組やってたんですよ。いやぁ、驚愕でした。で、その放送の翌週くらいにおねーさまのお友達と会ったのですが、彼女はこの夏太ってしまってダイエット中なのだとか・・・。例の番組を録画して戒めのために何度も観ているそうです(^ ^;
この作品の主人公、ごっつぁんは中堅時計メーカー日高商事に入社して5年目。身長157センチ、体重100キロで会社でつけているヒップバッグには常におやつが入っている。この春に営業事務から人事課に異動してきたばかり。あだなは「ごっつぁん」自己紹介の時には必ず、自分で「ごっつぁんと呼んでください」と付け足して自らデブキャラの座を獲得する、というキャラクター。明るく、憎めず、大抵のことはおいしいものを一緒に食べると解決できると信じている・・・。
彼女が役員直轄の、女性だけの新製品開発プロジェクトのリーダーに抜擢されたことから始まる、お仕事開眼ストーリー。でも、最初はやる気のないダメOLだったのに・・・というわけではない。ごっつぁんの普段の仕事ぶりが認められての抜擢だったんだけど、本人は気がついてない。で、プロジェクトに右往左往しているうちに、自分自身でも仕事の楽しさ、苦しさ、やりがい・・・などに気がついていく、という流れ。
ごっつぁん、ほんとに憎めないキャラで読んでいてほのぼのしてくるのですが・・・、いかんせん、全体的にほんわりしていて読んでいて張り合いがなかったです。ごっつぁんのキャラがおもしろいだけになんだか残念。詰め込み過ぎなのかなぁ・・・。ちょっと現実感が感じられない話でした。この前「寿フォーエバー」を読んだ時にも思ったんだけど、さすがに20代が仕事を通して成長する、というストーリーには共感できなくなってきた自分自身のお年頃、ってこともあるのかな。
冒頭のダイエット番組に登場した女の子たちとごっつぁんの違い、なんなのかな、と思いつつも読んでいたんですが、やっぱり「明るさ」だと思いました。人生に対する前向き度の違い。現実とフィクションを比べるな、と言われるかもしれませんが(でもデレビ番組になったとたんにそれは事実ではなく限りなくフィクションになってしまいますよね)、それは大きい。でもごっつぁんにもここに至るまでの困難があり、それを乗り越えた末の今の姿ってことなのです。
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