「TOKYOオリンピック物語」野地秩嘉(小学館) [本]
ここ数日、暖かい(というか、暑い?)日が続いたせいだと思いますが、我が家に蚊が登場。寝ている間にワタシだけ刺されました。朝起きたら、腕になぜだか四角い虫さされ跡が・・・。なんで四角なの?!
先日、書評で紹介されているのを見かけて読んでみました。著者が15年以上かけて、東京オリンピックを裏方として支えた人々を取材し、まとめたノンフィクションです。
とはいえ、裏方とはいっても、オリンピックのポスターをデザインしたグラフィックデザイナーとか、選手村の食堂運営をとりまとめた帝国ホテルの村上料理長とか、初めてオリンピックにコンピューターでのデータ管理のシステムをもちこんだ日本IBMのプログラマとか、記録映画を監督した市川崑とか、かなりビッグな仕事をした人たちが中心です。
熱に浮かされたように、オリンピックという大きな目標に向けて突き進む人々。今、TBSで「南極大陸」やってますが、「もはや戦後ではない」という合言葉を胸に、熱く取り組む男達。いわゆるプロジェクトXの世界です。
熱く、熱く彼らについて語られれば語られるほど、高度成長の時代を知らないワタシなんぞはちょっと醒めてしまったり。いわゆる男のロマンよね〜なんて考えてしまったり。
だって、どう考えてもこういう一致団結のアツイ時代は日本にいるかぎりはこれから巡ってこないわけですから・・・。まかり間違って2回目の東京オリンピックが開催されることになったとしてもあんな騒ぎにはならないでしょうし。
少し前、講演会で経営学の教授が雑談として話されていたのですが、NHKの「プロジェクトX」と「プロフェッショナル」のどちらの番組に共感するかで世代がわかる、と。そういわれてみれば、ワタシは断然「プロフェッショナル」派だなぁ。「プロジェクトX」やってた頃は、まだワタシも若かったし、仕事が忙しくてテレビなんて深夜番組を流し見るくらだったから、あんまり観たことないってのがホントなんだけど。
奥田英朗の「オリンピックの身代金」となんだか対になっているよなぁと思いました。こちらが表舞台の東京オリンピックだとすると、あちらはその成長の熱気の裏で燻っていた不満の話。
あ、東京オリンピックの記録映画、観てみたくなりました。ちゃんとDVDになってるんですね。
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