「コーヒーもう一杯」平安寿子(新潮社) [本]
あっという間に12月ですね。しかも今日から寒い〜〜〜。こんな寒い日には温かいコーヒーを、というわけでもありませんが、この1冊。
飲食店向けの店舗施工会社で仕事をしている未紀は3年付き合った自称書道家の彼氏に振られ、顧客に無理難題を押し付けられた挙句ブチギレて、顧客の挑発に乗り、会社をやめ、自らカフェ経営に乗り出す。しかし、未紀を待ち受けていたのは・・・。
久しぶりに平さん読みました。な〜んか、どこかで読んだようなキャラの主人公。勢いで始めたカフェ経営の顛末が実用書のごとく具体的に描かれていきます。開業後1年で9割が経営に行き詰まり、撤退するという飲食業。やっぱり、準備が足りないし覚悟も足りない。男と結婚して男に依存して生きていきたいと思っていた女の子が、ふられた結果目標を失い、開き直ってやけっぱちに始めてしまった・・・というかんじ。でも最後には、「やっぱ無理」としっぽをまくのではなく、将来に繋がる仕事への取り組み方、といったことに目覚めた未紀。そういう意味では未紀の成長物語です。32歳はまだまだやり直すには遅くないものね。
未紀の友人の年の離れた恋人として登場する飲食店向けコンサルタントの怪しさがなかなか面白かったです。
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