「異性」角田光代、穂村弘(河出書房新社) [本]
うちの近所の小さなお店。ずっと「貸店舗」の看板が出ていたけど、夏の終わり頃から工事が始まり・・・。わたしが知っている変遷は、ラーメン屋→寿司屋、だったので、カウンターだけの居酒屋とかかな、と思っていたら、先週ショーケースが設置されているのを見て「そうだ、ケーキ屋さんに違いない!!」と喜んでいたのですが、今週手芸屋さんだということがわかりました。どんなお店になるのかな〜。
- 作者: 角田 光代
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/04/10
- メディア: 単行本
小説家の角田さんと歌人の穂村さんのリレーエッセイ。テーマはズバリ異性、というか恋愛。読みはじめるまではてっきり対談なのかと思っていたらエッセイでした。でも、角田→穂村→角田→穂村、と続いていくうちにおふたりの異性および恋愛についての考察が深まって行く、そのグルーブ感がすごい。読んでいて「そうそう、そうなのよ」とぶるんぶるんと首を縦に振り続けそうになります。
最後の方にでてくる、角田さんの女性は恋愛を「物語」として紡いで行く。物語にして初めて、恋は始まるし、終わる、というくだりには納得です、納得。それを受け手の穂村さん、男性にとっては一つひとつの出来事が4コマ漫画。いきなり女性からそれを長編劇画として語られる上に、長編劇画にすることを求められるから面食らう、という意見にもなるほどなるほど。
文庫になったらぜひぜひ手元に置いておきたい。まぁ、恋愛という場面にはもう縁がなくなった(というか、そう願いたい)ので何かの役に立つということではないのだけど。人間が男と女というふたつの性におおざっぱには振り分けられるという現実を鑑みると、恋愛ではない普通の人間関係にも、もちろん夫婦という異性同士の関係にも参考になること、多々あります。
あー、おもしろかった。
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