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「不自由な絆」朝比奈あすか(光文社) [本]

なんだか今日はいろんなことの歯車が噛み合わず、ぱっとしない一日。
何にもしないうちに夜になってしまった・・・は〜。
夫がそろそろ帰って来るので急いで夕食の支度です。


不自由な絆

不自由な絆

  • 作者: 朝比奈 あすか
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/09/18
  • メディア: 単行本

同級生の息子を持つ、リラと洋美という元同級生同士のママ友の10年間に及ぶ物語。
リラの側からと洋美の側、双方から物語画語られていくので、ふたりがそれぞれ苦しみもがいている様が伝わってきて読んでいて苦しい・・・。

リラと洋美は国立大学の付属中学の同級生。洋美は小学校から通っている典型的な教育熱心な家の娘、対してリラはスナックを営む母との2人暮らしで、成績がいいから授業料の安い国立大学の付属中学なら、と受験してみたら合格してしまったという子。
ふたりが、どんな中学時代を過ごし、そして母親となって偶然再会してからどんなふうに親しくなり、そしてその関係が上手くいかなくなってしまったのか、ひとつひとつエピソードが積み上げられていきます。

生い立ちに関するコンプレックスや、夫との関係、そしてママ友だからこその、子供同士の関係。子育ての悩み、経済的事情・・・。

ふたりをとりまく問題はほんとに山積していて、でも、問題だと思っていたことは実は自分自身が自分を縛り付けていただけだったりもして。そんな女子ならではの自意識とか競争心とか、そんなものがてんこ盛りの小説です。

母親と子供はやっぱり違う人間なんだから、親同士の関係と子供同士の関係が同じように上手くいくとも上手くいかないとも限らない。そんな当たり前のことが割り切れなくなってしまう原因が少女時代の関係故、というのが切ないねぇ。

朝比奈さんはこういう30代前半の女性の、湿度の高い鬱屈した心情をねっとりしつこく描くのが上手いなぁ。。。

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Sho

これは永遠のテーマなのでしょうね。
角田光代さんの「対岸の彼女」や、唯川恵さんの題名はわすれましたがご本とか。
知らない作家の方でしたが、興味が湧いてきました。
by Sho (2014-12-20 08:21) 

カオリ

>Shoさま
女同士のこういうめんどくさい友情ってほんとに尽きないテーマですね。わたしはそういう付き合い方をしている友人がいないので、今ひとつピンとこないのですが・・・。
朝比奈さんはおそらく、おそらくですが、現役ママさんなのではないかなとわたしは思っていて、そこが角田さんよりも何倍も湿り気と息苦しさのあるストーリーに繋がっているのではないかなと思います。
by カオリ (2014-12-24 12:40) 

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