「砂子のなかより青き草」宮木あやこ(平凡社) [本]
今日は台風一過で一気に真夏、という感じの一日でしたね。
そろそろ日傘を買わなくては・・・。去年の秋口に愛用していた日傘が壊れてしまったんですよね。
篠田さんの「讃歌」を借りに図書館に行った時見つけた作品。元平安ヲタクとしては読まねばなるまい、と借りてみました。
主人公は清少納言。
夫と別れた清少納言が時の中宮定子のもとに出仕し、定子からも寵愛を得、少納言自身も定子への忠誠を尽くす様が描かれます。
しかし、この中宮定子は夫である一条天皇との仲は睦まじいものの、大臣だった父が早くに亡くなってしまったため叔父である藤原道長に蹴散らされてしまう悲劇の人。
「枕草子」には清少納言が内裏で見聞きした、美しいもの、楽しかった行事などがキラキラとした様で描かれていますが、実は定子および清少納言たちがそういう日々を送っていたのはほんの短い間だけ。
そんな悲劇の后の人生とセットで語られるこの物語は全般に切なさで埋められています。
しかし・・・わたしは今ひとつ乗り切れず、読み終えるまでに結構時間がかかってしまいました。
なんか、細かいところが気になってですねぇ。。。
例えば、中宮定子は後ろ盾となる父を亡くし、兄も失脚してしまった後に第一子である内親王を産むのですが、その内親王を母乳で育てるのですよ。いくらなんでもそれあり得ないでしょ。
あとは、定子がまだ華やかな日々を送っていた頃に、清少納言ともう一人の女房を供につれて、変装して外で祭り見物をするとかさー。
紫式部の魔女的なキャラクター設定もさすがにどうかと思いましたわ。
なにはともあれ、やはり中宮定子という悲劇の女性は物語になりやすいのですね。
やっぱり田辺聖子さんの「むかしあけぼの」読みなおそうかなぁ。。。
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