「ギリギリ」原田ひ香(角川書店) [本]
この週末は両親と一緒に長野へ善光寺詣で。
長野、寒いかな〜、寒いよね〜。
最近わたし的に注目の原田ひ香さん。新刊見つけたので図書館で借りました。
脚本家志望の健児、その妻で夫を亡くした瞳、瞳の元夫の母親、つまり元義母の静江。この3人が順番に主人公になっていく連作集。
何ともややこしい関係。健児と瞳は中学、高校の同級生で、健児が瞳に憧れていたという関係。
瞳の亡くなった夫の一太郎はある日突然過労死。
会社を辞めて脚本家になるべく東京へ出て来た健児はサギのような事件で住むところもお金もなくし、瞳に拾われ、結婚。
義母の静江は夫に先立たれ、息子にも先立たれたいわゆる奥さまで、お金には困ってないけど一人では何もできないような主婦。
3人で今はいない「一郎太」という人を囲んで、表面的には和気あいあいとしながらもお互いの距離をとりあっている。いわばギリギリのところでバランスの取れた3つ又になったやじろうべい。
ひとりがちょっと動くとすぐにぐらりとバランスが崩れてしまって崩壊寸前。
こんな3人がもちろんそのまま何十年もこのままの関係を続けられるはずもなく・・・というお話し。
ラストは納得だけど、やっぱり健児と瞳は「生きてるもの同士」なんだから、幸せになってほしいな。それぞれ別の相手を見つけるもよし、数年後、よりを戻すもよし。
いろんなことがギリギリで、しかも浮き世の義理にまみれた世の中だからね。なんとか幸せ掴んで欲しいです。
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