「魂の退社」稲垣えみ子(東洋経済新報社) [本]
今日、8月9日は長崎原爆の日。元長崎県民のわたしには11時2分に黙祷しなければーーーと思うものの、サイレン鳴らないし、で同じく元長崎県民となっている幼なじみS嬢からの「黙祷するの忘れた・・・」というメールで気がつきました。遅れてしまったけど、黙祷。
さて、時々テレビでお見かけする「アフロ記者」稲垣さんのエッセイです。
少し前にNHKの「あさイチ」に出演されているのを見てそのビジュアルにまず衝撃を受け、そしてすごーくフラットな考え方に共感しました。
稲垣さんは元朝日新聞の記者で、論説委員だった50歳で退社。
38歳で大阪支社から高松総局に「流された」稲垣さんは、高松の暮らしの中で、お金を使わないで楽しく生きる術みたいなものに気がつき、そして友人のある言葉がきっかけで「50歳になったら会社をやめよう」と決めます。
そして、会社にも稲垣さんにもいろんなことがあり、計画通り、50歳で退職。
もちろん、こんなふうに文筆活動をしたりテレビに出演したりはされているので、全くの無職というわけではないのでしょうが、天下の朝日新聞時代の年収を確保されているわけではなさそう。
なにせ、稲垣さん、電化製品をほとんど持っていないらしいですよ! 電子レンジはもちろん、冷蔵庫もないんだって。すごすぎる。エクストリームな「使わない生活」です。
「会社をやめよう」という本ではなく、魂は会社に縛られるな、というメッセージだと受け取りました。
会社にすべてを捧げている感覚、そもそも終身雇用が当たり前、な環境にいたことが超短いわたしにはどうも理解できないところもありますが、なんというか、新聞社という組織のちょっと普通じゃない感じ、これは少しわかる。
むかーし、むかし某A新聞社の記者がらみの思い出がありますから・・・。
「あさイチ」でわたしが感銘を受けた稲垣さんのフラットな考え方は、きっとこの10年の間に培われたものなんだろうなとこの本を読んで思いました。
しかしですね、携帯電話の契約の仕方がわからない、とかパソコンを今まで買ったことがなかったとか、不動産屋で自分で部屋を契約したことがなかったとか、「芸能人かよ」と思ってしまうエピソードも満載。
稲垣さんもご自分で書かれてますが、こんな生活している新聞記者が国民の代表、みたない顔してるっていうのもなんだか腑に落ちないわぁ・・・と20年前にも感じたことを改めて感じたのでした。
転職3回経験している私も、あまり会社に縛られている感じは持っていません。
そうはいっても、今の会社はもう10年過ぎましたが。
アーリーリタイヤは憧れますが、現実を考えるとなかなか難しいですね。
by YAP (2016-08-10 08:01)
>YAPさま
金銭的な問題がクリアできてもアーリーリタイヤして、何して過ごすのか?というのは大きな問題ですよね。といってもわたしはほぼアーリーリタイヤしたような身の上ですけど・・・。nice!ありがとうございます。
by カオリ (2016-08-12 19:02)