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「今日もやっぱり処女でした」夏石鈴子(角川学芸出版) [本]

24歳、イラストレーターを目指す派遣社員のあおば。夏石さんの作品の特徴として、主人公の身の回りのことが細かく描写されるということがあると思うのだけど、それがとっても顕著だと思いました。



今日もやっぱり処女でした

今日もやっぱり処女でした

  • 作者: 夏石 鈴子
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2008/10/08
  • メディア: 単行本



タイトルと主人公の設定からいって、当然ながら不器用な恋に悩む話?と推測していたのですが、恋の話はナッシング。
正社員の仕事をやめて、イラストレーターになるという夢を実現するために派遣社員として働いているあおばの、そういう人生についての悩みとか、突然1年間一人暮らしをしたいと言って出て行った父親への複雑な気持ちと残された母親との2人の微妙なバランスの生活とか。そういうことが淡々と綴られています。
なんとなく安易に想像しがちな24歳の夢に向かって生きる女の子、という設定からステロタイプな物語を想像するとあっさりと裏切られ、そうよね、生きてるってこんなことなのかもね、と読み終わった後思ったのでした。東京の家付き一人娘って、結構ツライかもとなんとなく思いましたです。

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コメント 2

Sho

>東京の家付き一人娘って、結構ツライかもとなんとなく思いましたです
なんか嬉しかったです・・
一時「パラサイト」という言葉がはやりましたけど、ホントに百人百様、千差万別、同居の人も別居の人もみんなそれぞれの事情があるのですよね。
大人になってからの、家族との関わり方って結構難しいかもしれないですね。
なんか面白そうなご本だなと思いました。
by Sho (2008-11-28 20:19) 

カオリ

>Shoさま
東京で生まれ育つと、なかなか親もとから離れて暮らす、というキッカケが難しいですよね。確かに友人達を見回してみても、一人暮らしを始めたのは30過ぎてから、というケースが多いです。
nice!ありがとうございました。
by カオリ (2008-12-01 11:10) 

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