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「ほかならぬ人へ」白石一文(祥伝社) [本]

このタイトルと表紙がとっても気にいりました。もちろん図書館本ですが・・・。

ほかならぬ人へ

ほかならぬ人へ

  • 作者: 白石一文
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/10/27
  • メディア: 単行本







「ほかならぬ人へ」「かけがえのない人へ」という中編が2つ収録されています。上流階級の家に生まれたものの、すべてが人並みで人並みの生活に憧れ普通のサラリーマンとして生活する明生が主人公の「ほかならぬ人へ」、恵まれてはいるが仲の冷えきった両親に育てられ、普通に愛し合い結婚するということに価値を見いだせないみはるが主人公の「かけがえのない人へ」

設定からしてこの2つの中編が対になっていることがわかります。
内容もいつもの白石節全開なのですが、明生が白石作品のいつもの主人公とは違って、特段理屈っぽくもなく、精力絶倫というわけでもなく(^ ^;、腰の引けたいわゆる草食系男子なのがちょっとおもしろいかも。
この2つの中編、終わり方がなかなか考えられていて、それでその先どうするのかな・・・としばらくぼんやり考えてしまいました。

明生の上司、東海さん(女性)がなかなかかっこよいです。

人と人の出会いと別れはままならないものですね。

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