「地球の穴場」乃南アサ(文藝春秋) [本]
2013年1本目の記事です。
図書館の返却期限が迫っております(汗)
- 作者: 乃南 アサ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/07/12
- メディア: 単行本
乃南さんの小説はたくさん読んできたけどエッセイは初めて(たぶん)
「地球の穴場」のタイトル通り普通はなかなか旅できないような場所を旅した記録です。
読み終えた後、初出を見たら納得。ほとんどがJALの機内誌でした。
中国でも雲南省や青海省、東北の大連や哈爾賓など。あとはケニアでサファリとか。見知らぬ土地の見知らぬ人々の日々の暮らしに寄り添うような乃南さんの旅の姿勢が、彼女の小説から伝わってくる登場人物への優しいまなざしと重なるなぁなんて思いました。
一番、興味深く読んだのは東京上空を飛行船で飛んだはなし。
2010年の初出です。桶川にある本田飛行場?からの遊覧飛行があるらしく、これは乗ってみたい!と思って一生懸命グーグル先生にお尋ねしたのですが、2007年から運航していた会社が倒産してしまっているらしく、現在は日本では飛行船に乗ることは叶わないようです。残念。
しかも2007年のサービス開始当時の記事を発見しましたが、おひとりさま、12万円ですって・・・。じゅうにまんえん・・・さすがに無理です。しゅーん。
なぜにこんなに興味をもったのかというと、乃南さんの体験記が素晴らしかったからなのですが、気球に乗った経験と飛行船の経験を比較したこんなはなしがツボなのでした。
気球にはカンボジアとケニアで乗ったそうですが、気球に乗って空に昇ったとき「死んだときこんな気持ちになるのではないか」と感じたそうです。降りていこうと思えば降りていけそうな距離。そこから自分が別れを告げる世界を眺めるのではないか、と。対して飛行船は気球よりも少し高いところを静かに移動していく。それは気球から地上への距離感とはちょっと違っていて、地上の人々の営みを「見守る」ような気分だったそう。
これを読んで、ああ、わたしもその眺めを体験してみたいなぁと思ったのです。気球は自然の多いところへ行けばわりと手軽に乗ることができるから、きっと一生のうちには一度くらい乗るチャンスがあるはず。だけど飛行船に乗るなんて希有な体験はなかなかできない(飛行船を見ることすら稀ですから)ので、日本で遊覧飛行できるんならぜひ!!!と思ったわけなのでした。
空をふわふわ漂って、息子と同じくらいの視線で地上を眺めてみたいな、と。
ちなみに、飛行船の歴史は古く、飛行機にその地位を奪われるまではなんとヨーロッパと北米を乗客を乗せて何十回も往復した飛行船があったのだとか。デッキは2階建てで、レストランはもちろん、シャワーのついた客室完備。きっと現代の飛行機のファーストクラスなんか比較にならないゴージャスな空間だったんでしょうね。
まずは気球に乗ることを目標にしよう!
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