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「緑の毒」桐野夏生(朝日文庫) [本]

どーでもいい話ですが、ユニクロヒートテックの「極暖」ってほんとにそんなに暖かいのかしら。今日からセールで激安らしく、スポーツクラブのロッカールームでおばさま(おばーさま?)たちが「今日から安いのよ!!」という話で盛り上がっており、帰りのエレベーターで乗り合わせたおばさまはユニクロのあるフロアでそそくさと降りていったので、きっとアレ買いにいったんだろうなーと思って。
普通のヒートテックの1.5倍らしいですよ。暖かさが。確かに気になる・・・。

緑の毒 (角川文庫)

緑の毒 (角川文庫)

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 文庫





開業医の川辺は勤務医の妻カオルと二人暮らし。カオルは同じ病院の救急医と不倫している。
川辺は共通の友人からそのことを知らされ、カオルが愛人と会う水曜日にはカオルが勤務する病院の近くを徘徊し、一人暮らしの女性の家に忍び込み、悪質な手口でレイプする、ということを繰り返す。

そんなストーリーが、連作小説のかたちで、視点を変えながら語られていくのですが・・・。なんというか、この川辺という男の薄気味の悪さがさすが桐野夏生、というところで。

30代後半、サラリーマン家庭で育ちそれほど歴史のない大学で医学を学び医者になり、友人と開業したものの仕事には身が入らず、趣味は洋服とビンテージスニーカー。妻の不倫を知っても別に問いつめる訳でもなく、無差別なレイプというかたちで鬱憤をはらしていると言うもうなんか、救いようのない最低男。

同情の余地もひとつもないのですが、とはいえ、登場する人物がみんなどことなく屈折していたりして10人以上が登場するのに誰にも共感できないといういや〜な感じ。
被害者の女性たちが川辺を追いつめて行くところはなかなか手に汗握るのですが、ちょっとその方法が「え?それ?」みたいなもので、わたし的にはちょっと肩すかしを食らった気分。

それにしても「緑の毒」というタイトルはどういう意味なんだろうか。毒、というのはわかるんだけど緑の意味がわたしにはちょっとピンときませんでした。

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コメント 4

Sho

実は数日前に、東電OL殺人事件のことを考えていて、ネットで桐野氏の「グロテスク」のいろんな人の感想を読んだりしていました。
その時に、この「緑の毒」という不思議なタイトルの御本の存在を知りました。
なるほど。
この「いや~な感じ」「どうしようも無さ」というのは、桐野さん独特の世界ですね。
「OUT」の主人公の心の乾き、「柔らかな頬」の主人公の永遠の絶望と戦いは、とても好きでした。
「グロテスク」は、盲目の美少年が要らないように思いましたが、今読むとどう感じるかなあ・・と思います。
何年も読んでいない桐野氏ですが、興味が湧いてきました。
by Sho (2014-11-22 06:39) 

YAP

桐野夏生さんの作品は好きなのですが、これはちょっと厳しい系ですかね。
こちらでユニクロ行きました。
某店舗の開店セールでヒートテックが安かったです。
by YAP (2014-11-22 07:52) 

ゆみっぺ

登場人物が多いのに誰一人共感できないなんて
逆に読んでみたいと思いました!
被害者達の追い詰め方も
肩透かしなんて、どんなだろう~
こっちも気になりますっ!
by ゆみっぺ (2014-11-25 07:30) 

カオリ

>Shoさま
確か「グロテスク」あたりからわたしはリアルタイムで桐野作品を読み始めたのですが、やはりShoさんがあげておられる「OUT」と「柔らかな頬」が衝撃的で印象に残っています。その頃と比べるとずいぶん「いや〜な感じ」もライトになってきているな、なんて思ったりもしていますが。
「緑の毒」は結局タイトルの謎めき方が一番印象的かもしれません。

>YAPさま
これは桐野作品のなかではわりとライト系の作品だと思いました。
ドイツにもユニクロあるんですねぇ〜。ヨーロッパだとZARAとかH&Mといったファストファッションがありますが、センスといった点は置いておいて、ユニクロの質の高さは圧倒的ですよね。
nice!ありがとうございます。

>ゆみっぺさま
確かに全員をいや〜な感じに描き分けられるって凄いですよね。追いつめ方はいかにも「今」って感じです。ぜひ読んでみてくださいね。nice!ありがとうございます。

by カオリ (2014-11-26 10:35) 

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