「優雅なのかどうか、わからない」松家仁之(マガジンハウス) [本]
またまた春の嵐到来!
窓の外から台風のような風の音が聞こえてきます。でもなにより湿気が・・・。うち、除湿機はないんですよね。湿度計によると湿度77%。をお!
お初の作家さん。表紙がなんだか新潮クレストブックスのシリーズっぽい・・・と思っていたら、この作家さん、そもそもは新潮社の編集者でクレストブックスを担当されてたんですって。
なぜにミア・ファローかというと、主人公が作中で恋人とミア・ファローの古い映画を観るんですね。そしてその彼女はベリーショートがとっても似合う、という設定。
主人公岡田匡は48歳の編集者で、金融機関で働くバリキャリの妻と離婚。ひとり息子はアメリカに留学中。突然、離婚を突きつけられ、家を出ることになった匡は井の頭公園の側に古い一軒家を借りることになり、大家さん(息子と暮らすためにアメリカに渡ることになった70代後半とおぼしき、でも元気な園田さんというおばあさん)の許可を得て、心地いい家にすべくリフォームを開始。
ひとり万歳、な生活を始めた匡は偶然、吉祥寺の街でかつての恋人(不倫関係だった)佳奈と再会し、うーん、どうなるの、な展開。
いきなり妻に離婚された哀れな中年男なのかと思いきや、ここで実は離婚の原因はこの不倫だった(離婚当時には佳奈から別れを告げられていたのだけど)というオチ。
連載が「カーサ・ブルータス」だったこともあり、家をリフォームしていく過程がとても詳しくて、そのこだわりが楽しい。わたしは一軒家に対する憧れは皆無だけど、こういうリフォームには憧れるなぁ・・・。
結局、ひとり万歳な園田宅での暮らしもあっけなく終わることとなり、佳奈との関係もさてどうなるの?ってところで終わるのだけど、この煮え切れなさがまさに人生の1ページなのかもなとも思ったり。
岡田匡というひとりの人間のある1年間を切り取ったスケッチ、という読後感でした。
わたしはこのタイプの人は異性としては苦手なんだけど、友人としてはいそうなタイプ。
個人的には匡の息子に幸せになって欲しい。
ちなみに自分メモとして残しておきますが、この松家さんのお名前、仁之は「まさし」って読むんですって。やー、絶対読めないし忘れてしまいそうなので残しておきます。
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- 価格: 1,728 円
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2015年 4月号
- 作者:
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2015/03/10
- メディア: 雑誌
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