「スコット親子、日本を駆ける」チャールズ・R・スコット（紀伊国屋書店） [本]
もう１年以上、わたしが夢中になっているバラエティ番組、「Youは何しに日本へ」
いろんなおもしろYou（外国人）が登場するのですが、定期的に現れる？のが自転車You。自転車で日本を旅するためにやってくるYouって結構いるんですよね。
スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロ
- 作者: チャールズ・R. スコット
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2014/12/20
- メディア: 単行本
ということで、番組とはまったく関係ありませんが、2008年の夏に約２ヶ月をかけて日本を自転車で縦断したスコット親子の旅行記です。
表紙の写真をよーく見て頂くとわかりますが、スコット親子は大人用の自転車に後輪だけの子供用の自転車を連結した、親子自転車？に乗ってます。息子のショウくんは当時８歳。さすがにひとりで自転車を漕いでパパについて走ることは難しい・・・ということでこの自転車。ちなみにこの旅がきっかけで数年後、パパのスコットさんは勤めていたインテル社を辞め、冒険家、ライターとしてのキャリアチェンジをしたそうです。
40歳になったスコットさん、ある日”仕事と家庭の両立にあくせくすること”に違和感を感じ、「人生の目標リスト」を作り始めます。そのときに思いついたのが「子どもたちとの夢の冒険を計画する」という目標。
で、手始めに計画したのが息子のショウくんと、ショウくんのママ、つまりスコットさんの妻のエイコさんの故郷である日本を自転車で旅する、ということだったわけです。
エイコさんの反対や、ちょうど世界中を不況に陥れたリーマンショックなど乗り越えるべき壁はたくさんあったものの、ひらめいていから１年半後、６月下旬のある日、スコット親子は北海道の宗谷岬から冒険旅行に出発。
70日をかけ、たくさんのトラブルと多くの見知らぬ人の好意に支えられて佐多岬までを自転車で走り抜けたその記録が本書。
冒険旅行の記録というよりも、父と息子が濃密に過ごした日々の記録という方が適切かも。
最初は、やはりママと離れ異国の地で毎日自転車に乗って旅をするというプレッシャーから癇癪をおこしたりしたショウくんも、あっという間に環境に慣れ、たくましくなっていくのが微笑ましい。
スコットパパにはほんとうにかけがえのない旅となったのではないでしょうか。
出会う人出会う人に親切を受け、ある日電話でエイコさんに「日本人は本当に親切だ」と語ったスコットさんへのエイコさんの答えがなるほどな、というもの。
「確かに、日本の文化では礼儀正しさが重視されている。だけど、八歳の男の子とと一緒に旅している、日本語を話す愛想のいい外国人だってことが、出会った人びとのよい面を引き出していると思うの、きっと、あなたの楽観的な態度と、相手のよい面に注目しようとするところが、いい出会いを生んでいるんだわ」（P321）
親切にされた出来事しか書いてないということもあるのでしょうが、ほんとに日本人ってこんなに親切？ってくらいスコット親子は親切を受けてます。安全面のこともあり、あまり都会を通らないルートを走ったということもあるかもしれませんが、日本人同士だと確かにこんなに親切にはしないかもなーと思ったり。なんかテレなどもあって、かえって日本人同士だと親切にしあえないような気がします。
昔は自転車乗りだった夫も借りていた間に読んでいて、「面白かった」と言ってました。息子との自転車旅、というところをどう感じたのか、聞いてみたいような怖いような・・・。
ちなみに原題は「RISING SON」・・・息子の成長、といった感じでしょうか。
有名な「RISING SUN」にひっかけたタイトルですね。
実は訳者あどがきにもありましたが、原書はもっと長いそうなのですが、日本語版にするにあたって一部割愛されているそう。残念、完全版で読んでみたかったな〜と思います。
現在のバージョンでも1,900円というお値段がついてますから、これ以上長いと2,000円オーバーで売れ行きが・・・という大人の事情があるのかもしれませんね。
昨年のドイツ出張から帰国したとき、成田空港で外人さんを物色している番組スタッフさんたちを見かけました。
ドイツでよく行っていた日本食レストランにドイツ人学生のバイト君がいて、日本に行ったときにこの番組に出たと言っていました。
剣道をしていて、日本のどこかの道場に突然訪問するのを密着されたそうです。
by YAP (2015-04-29 10:27)
＞YAPさま
わたしはこの番組を知ってから成田空港には行く機会がなくて・・・うらやましいです（^ ^)
しかもドイツで密着された人に会われたとは！
今は突撃された外国人がこの番組のことを知っていることも多いみたいです。nice!ありがとうございます。
by カオリ (2015-05-01 16:34)