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「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ(文藝春秋) [本]

は〜もう9月も終わりですね。今年もあと3ヶ月かぁ・・・。
最近、いろいろあって落ち込んでます。心の不調は体の不調に直結する・・・ということで、昨日おとといは仕事はお休みしてダウンしてました。とほほ。でも今日は元気に仕事してきましたよ〜。

ネアンデルタール人は私たちと交配した

ネアンデルタール人は私たちと交配した

  • 作者: スヴァンテ ペーボ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/27
  • メディア: 単行本





スウェーデン生まれのペーボ博士は生物学者で、ドイツの研究機関でネアンデルタール人のDNAを読み解くという偉大な研究結果を発表したことで知られています(というか、知られているそうです)。

その論文は2010年に「サイエンス」誌に掲載され、話題となりましたが、その結果に辿り着くまでの経緯をペーボ博士の自叙伝的に語られた一般向けの本。
一般向けなので、極力わかりやすく書かれているとは思いますが、やっぱりワカラナイ部分はわからないので、そこは読み流し〜。でも大筋ではなんとなくわかります。

面白いのは自叙伝的な部分。ペーボ博士の恋愛事情(バイセクシャル)や結婚に至った経緯(友人の妻を略奪)、新婚旅行先での過ごし方、そして自らの出自ななどなどごくごく私的なことが折々に明かされていますが、そのオープンさにちょっと驚き。

でもその率直さ、オープンさがペーボ博士の研究姿勢にもつながっているのですよね。エジプトのミイラからDNAを取り出して解読しようとしたのがペーボ博士の研究のスタート。しかし、何千年も時間のたったミイラからのDNA抽出は困難な作業で、結局間違えた論文を発表してしまった若き日のペーボ博士。その教訓に基づき、マンモスからはじまりネアンデルタール人に研究対象を進める過程においては慎重すぎるほど慎重にチームをまとめながら時間をかけて進めていきます。

「ちょっとここアヤシイけどまいいか〜」なんてことは皆無。

だからこそ、時間はかかったけれど世紀の大発見ともいえる数万年前のネアンデルタール人の骨からDNAを抽出し、解読することができたのでしょう。
そしてネアンデルタール人と私たち人類の祖先は一時期、同じ地域に共に暮らしていて、かつ性交渉をもち子孫を残していたということまでがDNAによって明らかにされたのです。

ちなみに、レビュー書いてないのですが、先月読んだ「6度目の大絶滅」という本にもネアンデルタール人の絶滅についての章にペーボ博士が登場します。ネアンデルタール人がなぜ絶滅したのかはいろんな説があるようで・・・。私たちの先祖が争いに勝って絶滅させたという説もあり。。。

それにしても分子レベルの研究でこれからもどんどんいろんなことがわかってくるんでしょうね。
あと10年後には、研究者を目指す人は40歳くらいまで勉強しないと、その時点での最新の研究成果までを学ぶことができない(!)という予測まであるのだとか。つまりそれからようやく自分自身の新しい研究が始められるようになるってこと。それくらい科学の世界の研究の進捗スピードは早さを増しているという話を先日とある方から伺いました。大変だなり〜〜〜。

6度目の大絶滅

6度目の大絶滅

  • 作者: エリザベス・コルバート
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/03/21
  • メディア: 単行本


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