「なぜ時代劇は滅びるのか」春日太一(新潮新書) [本]
大河ドラマ「真田丸」、始まりましたね。2回目まで観ましたが、しばらくは見てみようかなって感じです。
武田勝頼役の平岳大さんがよかったなー。にっちもさっちもいかなくなった絶望感がね・・・。偉大な父を超えられなかったどころか、すべてが無になってしまうという残酷さ。
と、真田親子そっちのけで、武田勝頼に夢中になってたわたしなのでした(笑)
しかも、そう思った人が多かったのか、ニュースにもなってました。
この本を読んだ直後に「真田丸」見たので、なかなか興味深かったです。
著者の肩書は「時代劇研究家」。時代劇が子供の頃から好きで好きで今に至るというね。博士号もお持ちの学者さんですよ。しかもまだ30代。渋い好みです。
なぜ時代劇が今のような状況になってしまったのかを、作り手側、役者、視聴者、スポンサーなど関係するすすべてから原因を探り、分析してあります。
時代劇そのものが好まれないわけではなく、テレビ時代劇の作り手たちがワンパターン化という安易な手法に頼るだけになってしまったこと、その結果、高齢者がルーティンとして観るだけのものになってしまい、スポンサーがお金を出さなくなってしまったこと(高齢者は購買力がないと判断されるため)、時代劇の撮影現場で育った監督がいないこと、役者の演技力の低下、といったさまざまな原因が複雑にからまりあって、現在のようなことになってしまっているという説明はわかりやすく、なるほどなーと思いました。
そして時代劇は舞台が過去であるがゆえに、懐の深いジャンルであり、SF的な冒険もできるのに、もったいないという著者の時代劇を愛するが故の無念が伝わってきます。
実名でバッサバッサと斬られる役者さんも気の毒ではありますが、確かにそうだよねーという指摘ばかり。
「真田丸」期待してますよー。
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