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「国宝 上・下」吉田修一(朝日新聞出版) [本]

うわ〜、普通の投稿するの、何か月ぶりでしょうか。

何書いていいかわかんなくなりますね(笑)

ふと気がつけは今年も残り2ヶ月という・・・。


国宝 (上) 青春篇

国宝 (上) 青春篇

  • 作者: 吉田修一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: 単行本
国宝 (下) 花道篇

国宝 (下) 花道篇

  • 作者: 吉田修一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: 単行本
吉田修一作家生活20周年記念作品。
朝日新聞連載だったということで、万人向けに磨き込まれたさすがの吉田修一クオリティ。
吉田さんが歌舞伎を舞台にした小説を??とこの作品を知った時には感じたのですが、その縁もゆかりもない感じが、よりゴージャスな作品の出来栄えにつながったのかなと思いました。
歌舞伎を舞台にして、実在の人物が出てこないっていうのは大変珍しいと思います。完全フィクション。
松竹をモデルにした興行元の会社も当然出てはきますが、そこも架空の会社。

1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? (Bookデータベースより)


長崎に生まれた極道の息子が、父親を殺された後、不思議な縁をもとに上方役者の内弟子となり、やがては頭角を表していきますが、当然ながら波乱万丈、役者同士の嫉妬もあり、親子で代々芸を継いでいくという世界に飛び込んでしまった故の辛酸もあり。


それでも、女形を極め、どこまでもどこまでも高みを目指そうとする喜久雄。


関西歌舞伎の衰退や、映画の世界、テレビの興隆など激しい変化に翻弄されながらも、時にはゲス(失礼)な行動にも走りつつも、芸の神様に身を捧げたともいえる喜久雄の姿に一気読みでした。


吉田作品には珍しく神の視点を持った語り手がいて、「〜でございました」「〜なのでした」などどと物語を回していくのですが・・・途中でハタと思ったのですよ。この語り手って芝居の神様なのではないかと。

芝居の神様が自分が才能を与えた日本の西の長崎、しかも極道という社会の周縁に生まれたはぐれものの少年、その少年が自らに身も心も捧げた生き様を伝える作品。だとするとあのラストシーンも納得だなぁと。とっても歌舞伎的だとも思いました。

ラストシーンは勘三郎丈が生み出したいくつかの舞台の演出とも重なるような気がしたり・・・。


吉田さんはこの作品を書くことを決めるまでは歌舞伎とは縁がなく、取材のために藤十郎丈に密着(?)し黒子の衣装で舞台裏で長い時間過ごしたのだとか。そういう体験がえも言えぬ、華やかで残酷な世界を作り出したのかもしれません。


歌舞伎を観なくなってもう7年。新歌舞伎座にも行ってませんが、なんだかすごく懐かしい気持ちになりました。

一階席の花道側の席だと役者さんが花道に登場するとものすごくいい匂いがするんだよなぁとか。初めて玉三郎丈の姿を間近で見上げたときに魂を吸い込まれそうになったなぁとか・・・。


わたしはまた、あの空間に足を踏み入れることができる日が来るのだろうか・・・としんみりもした読書体験なのでした。



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9月の読書メーター [本]

もう10月も終わろうとしているのに・・・9月の読書記録です。

9月はなんと7冊も読んだ!


9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2141
ナイス数:74

そして、バトンは渡されたそして、バトンは渡された感想
森宮さんみたいなひと、ほんとにいるかなぁと思いつつ、最後はぽろぽろ涙が止まりませんでした。うう、うるっと来たレベルではなく、号泣しそうだった・・・(しなかったけど)瀬尾さんの作品は初めて読みましたが、ほんのり暖かな気持ちに。
読了日:09月02日 著者:瀬尾 まいこ
一億円のさようなら (文芸書)一億円のさようなら (文芸書)感想
きちんとエンタメに振り切って、最後の最後まで楽しませてもらいました。しかし主人公の子供2人が揃いも揃って恋愛体質なのはどういうことなんでしょうかねー。
読了日:09月02日 著者:白石 一文
ノモレノモレ感想
NHKスペシャルは見てなくて、残念!! 結局、ノモレたちがどういう人々なのか、その後どうなったのかはわからないんだけど、ノンフィクションなんだけど、詩的で、神話的。オンデマンドで見てみようかな。
読了日:09月09日 著者:国分 拓
三千円の使いかた (単行本)三千円の使いかた (単行本)感想
3千円の使い方でその人の価値観がわかる、というおばあちゃんの言葉、確かに子供の頃にそんなこと言われたらのちのちの行動にしみつきそうな気がする〜。ひ香さんらしい、リアリティのあるお話でした。
読了日:09月16日 著者:原田 ひ香
生きるとか死ぬとか父親とか生きるとか死ぬとか父親とか感想
破天荒な父親とのかかわりを綴ったエッセイ。もっと、こうファミリーヒストリー系な聞き書きノンフィクションなのかと思っていたら、「もっと父親と関わろう、父がなくなる前に」という思いでどちらかというと避けていた父とのコミュニケーションを綴ったエッセイでした。スーさんのお父様、きっと魅力的な人なんでしょうね。家族としてはなかなか大変だろうと思うけど・・・
読了日:09月20日 著者:ジェーン・スー
ステキな奥さん あはっ 2ステキな奥さん あはっ 2感想
りさっちのエッセイ。漫画も描けれたればエッセイもうまい・・・。が、やはりどうしても欄外の漫画的な部分を求めてしまうのよねぇ。
読了日:09月22日 著者:伊藤理佐
じっと手を見るじっと手を見る感想
「どういうことに生きているという実感を感じるのか」その問いを延々と問いかけているような作品。富士山という後つ的な存在が印象的。
読了日:09月30日 著者:窪 美澄

読書メーター

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8月の読書メーター [本]

カオリです。なんとか毎日過ごしています。

9月に入ってからは風邪で調子が今ひとつ・・・。流行ってるみたいですからみなさまもお気をつけて。


8月は夏休みもあったので、結構読めました。



8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1744
ナイス数:95

ランチ酒ランチ酒感想
原田ひ香さんっぽい主人公。大きな盛り上がりがあるわけでもないし、さいごに「なるほどな〜」っていうrオチもないけど人生ってこんな感じだよね、みたいな、そんな作品。
読了日:08月05日 著者:原田ひ香
陰謀の日本中世史 (角川新書)陰謀の日本中世史 (角川新書)感想
中世史は苦手分野なので、なかなかページが進まなかったけど、後半、本能寺の変のくだりまで来てようやく、ふむふむなるほど〜とページが進む、進む。いずれにしても、こうしてトンデモ本は出来上がっていくのか、と陰謀論の基本パターン分類には感心しました。読了の翌日、新聞に本能寺の変黒幕イエズス会説を取り上げた某小説家の本の広告が出ており、「おお、おお、これもかー」とあまりのタイミングにびっくりでした。
読了日:08月12日 著者:呉座 勇一
婚活食堂婚活食堂感想
勝手に「食堂のおばちゃん」の続編なのかなと思っていたら、また違うお話でした。元人気占い師の恵が営むちいさなおでん屋さんで繰り広げられる結婚をテーマにした悲喜こもごも・・・。お酒飲めるなら、行ってみたいな、こんなお店。
読了日:08月14日 著者:山口 恵以子
天才はあきらめた (朝日文庫)天才はあきらめた (朝日文庫)感想
某ブロガーさんのレビューを読んで興味を持ちました。そもそも山ちゃんにはそれほど興味なし、芸人さんのエッセイにも興味なしのわたし。こういう「何か」に取り憑かれた人たちって、因果だねぇ。。。嫉妬をガソリンにして燃やす燃やす。負のパワーを笑いのガソリンに、ってほんとすごい世界ですね。思わず、読み終わった後、Mー1の動画見てしまいました。
読了日:08月17日 著者:山里亮太
満天のゴール満天のゴール感想
なんだかちょっと読みながらモヤモヤしたんですよね・・・このモヤモヤの正体はなんなんだろう、と今でも思い返しながらこの感想書いてます。 主人公が故郷との一切の関わりを絶っていた理由とか、、、
読了日:08月19日 著者:藤岡 陽子
ファーストラヴファーストラヴ感想
こどもの心がどんなふうに損なわれていくのか。大人にとっては「たいしたことない」「それくらいで?」というふるまいがいかに重く影をおとし、そしてそれが世代間に連鎖していくのか。デビューの頃から島本さんの作品は読んでいるけど、時の流れを感じました。
読了日:08月19日 著者:島本 理生

読書メーター

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7月の読書メーター [本]

来週夏休みなのに、なにも予定が決まってない我が家・・・



7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1298
ナイス数:39

メガネと放蕩娘メガネと放蕩娘感想
途中だけ、雑誌で読んだんだよなー、なんの雑誌だったかなーと思いながら最後のページをめくったら「CREA」だったことが判明。地方都市の商店街再生に向かう姉妹の物語。おそらく山内さんの故郷がモデルなんだと思うけど、国立大学があるような県庁所在地のメインの商店街がここまでさびれるのかな??という疑問はあるけど、我が地元の商店街もひどい状況なので、うむうむ確かになるほどなと唸りながら読みました。タカちゃんが幸せになってよかった。
読了日:07月08日 著者:山内 マリコ
モダン (文春文庫 は 40-3)モダン (文春文庫 は 40-3)感想
マハさん安定の美術系小説。短編集でそれぞれ異なる立場から、MoMaに魅入られた人々の人生の一片を切り取った作品集。MoMa行きたいなぁ〜
読了日:07月23日 著者:原田 マハ
デンジャラスデンジャラス感想
谷崎と、谷崎を囲む女たち。王国を支配しているのは王様である谷崎なのか、それとも? 答えのある話ではないし、毒毒しさあふれ、桐野節まんさいです。「細雪」、学生の頃読んだけど、また時間ができたら読んでみたい・・・
読了日:07月28日 著者:桐野 夏生
わたし、定時で帰ります。わたし、定時で帰ります。感想
淡々と自分の仕事に没頭する孤高の女子社員の話・・・なのかとおもったら、そう簡単に行く話でもなく・・・。マネージャーの姑息なやり口にイライライライラ。こんな上司がいるとデスマーチみたいな案件になっちゃうのかなぁ。。
読了日:07月29日 著者:朱野 帰子
帝国の女 (光文社文庫 み 35-3)帝国の女 (光文社文庫 み 35-3)感想
さくさくっと読めて、一人一人の苦しみ、もがき姿がリアルで読んでいて、息苦しくもなるけどエンタメとしての読書の楽しさを満喫。
読了日:07月30日 著者:宮木 あや子

読書メーター

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「モダン」原田マハ(文春文庫) [本]

いや〜毎日暑いですね。これ以外の挨拶をしてみたい今日この頃です。


モダン (文春文庫 は 40-3)

モダン (文春文庫 は 40-3)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/04/10
  • メディア: 文庫
なんとなく、本屋さんで本を買いたくて購入。図書館で借りるか、ネットで購入するかなので、久しぶりに本屋をぶらぶらして目についた本を買うという行為をしたような気がします。
マハさんの美術系の作品。
The ModernことMoMA(ニューヨーク近代美術館)を舞台にした短編集。
画家は出てきません。MoMAで働く人だったり、MoMAの初代館長アルフレッド・バーに強く影響を受けた人だったりが主人公。必ず彼らの人生にはMoMAが欠かせない存在としてある、そんな彼らの人生の一幕を切り取った1冊です。
以前NYに行った時は時間がなくて行けなかったんですよね、MoMA。メトロポリタン美術館を半日まわるのがせいぜい・・・。今だったらメトロポリタンかMoMAか、だったらMoMAを選んじゃうなぁ。。。
このマハさんの作品を読んだら、またNYに行きたくなりました。弾丸で夏休みにいっちゃおうかなと一瞬思ったほど(笑)
まだ夏休みの計画も立てられていない我が家です・・・。
暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 文庫

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6月の読書メーター [本]

今頃ですが、6月の振り返り〜。

もうちょっと読めたような気がしたんですが、結局3冊かーーー。

せめて5冊くらいは読みたいなぁ〜〜〜。



6月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:969
ナイス数:34

闇の叫び アナザーフェイス9 (文春文庫)闇の叫び アナザーフェイス9 (文春文庫)感想
とうとうシリーズ完結。大友のリハビリもついに完了か・・・。重い、重い事件の容疑者に自分たち親子を重ねてしまう大友。そういう大友普通っぽさがこのシリーズの魅力だったのかもな〜
読了日:06月06日 著者:堂場 瞬一
探検家、40歳の事情 (Sports graphic Number books)探検家、40歳の事情 (Sports graphic Number books)感想
探検家の日常についてのエッセイ。ただ長めのエッセイで描かれた極北の村での人間と犬との関係のシビアさに、太古から続くヒトと犬の関わり方(けっして”家族”なんていう関係ではない)を垣間見て、考えさせられたのでした。
読了日:06月24日 著者:角幡 唯介
海を抱いて月に眠る海を抱いて月に眠る感想
亡き父が家族に隠していた、過去。著者の父の経験をもとに作品にしたとのこと。密入国、差別を受け、偽名を使いながら生きざるを得なかったひとりの人間と、それを知らずに見送らなければいけなかった残された家族。ノンフィクション色の強い、けれど小説でなければ伝えられない強さのある作品だと感じました。
読了日:06月30日 著者:深沢 潮

読書メーター

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新潟発上陸!GW越後湯沢旅〜食事編 [旅&おでかけ]

間が空いてしまいましたが・・・

新潟旅行の後編です。

今回、お宿の写真を全く撮っておらず・・・


越後湯沢 HATAGO井仙

越後湯沢 HATAGO井仙

  • 場所: 新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2455
  • 特色: 囲炉裏の間の空間、全館畳敷きの廊下、源泉掛け流しの湯屋、魚沼キュイジーヌ料理、ベッドスタイルの和室
今回泊まったのはこちら。越後湯沢駅の真ん前の「HATAGO井仙」さん。老舗旅館がコンセプトを変えて営業されてます。1Fのカフェと2Fのレストランも有名。
今回泊まったのは一番リーズナブルな「郷」のお部屋。ベッドと小さなソファーがあるお部屋。そんなに広くはありませんが、2人だから十分。駅前のお宿なので、うるさいかな〜と思っていたのですが、意外と静かで外の音は気になりませんでした。
お風呂は源泉掛け流し。無味無臭のお湯です。おそらく満室だったんでしょうか、お風呂も全く混んでおらず快適〜。
さて、こちらのお宿のお楽しみは魚沼キュイジーヌと題したお食事。
2Fのお食事どころ「むらんごっつぉ」は普通のレストラン使いもできるお宿です。食事が松竹梅あり、それによって宿泊費も変わります。そういうときは、やっぱり竹ですよね(笑)
お品書きをもらってきてたはずなのに見当たらず、残念。なので、写真と記憶のみでお伝えします・・・

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新潟発上陸!GW越後湯沢旅〜観光編 [旅&おでかけ]

学生時代からわりと日本国内はあちこちふらふらしていたので(九州から関東に出て来た、ということも行動範囲が広がっている要因だと思いますが)、まだ行ったことがない都道府県リストを制覇するというのが実は小さな野望の一つ・・・ということで、未踏の地だった新潟県に行ってみよう!と思い立ち手っ取り早く行ける越後湯沢に目的地を定め、5月のGWに行って来ました。


といいつつ、越後湯沢で以前から目をつけていた旅館に空室があるのを5月1日に見つけたから・・・というのがほんとのところ。どこかお泊りに行きたかったんですよ。


ということで、5月2日の昼間に、夫と相談し渋滞回避のために群馬あたりで前泊しようということになり、8時頃会社を出て、急いで身支度し、9時頃出発。しかもそれから晩御飯を食べ、車内で前橋のビジネスホテル(1泊6000円!2人で)を予約して、夜中に前橋に到着。関越道は深夜も混んでました・・・。


翌朝はおかげでゆっくり目の出発。これ楽ですねーとっても楽。通常だと朝5時とかに家を出て、それでも高速は渋滞していてげんなり・・・というパターンですが。


ということで、渋滞なしで前橋を出発。しかし群馬は晴れてましたが、関越トンネルを抜けるとそこは雪国だった・・・ではなく大雨だった、でした。

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「さざなみのよる」木皿泉(河出書房新社) [本(大切な人をなくしたあなたへ)]

今日は半休とって、所用を済ませ、夕方には帰宅。でも家でメールの返信やらなにやらしていたのだけど、なんだかタダ働きしてるのがアホくさくなり(笑)、久しぶりにブログ書くかー!と思い立ちました。


さざなみのよる

さざなみのよる

  • 作者: 木皿 泉
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/04/18
  • メディア: 単行本
2016年と2017年のお正月にNHKで放送されたドラマ「富士ファミリー」の原作というか、前後譚というか。ドラマより1年以上たってから出版されているので厳密にいうと、原作とも違うしなぁ〜。
先日、久しぶりに夜の代官山蔦屋パトロールにでかけ、読み始めたら止まらなくなり、買って帰ってきました。
蔦屋のスタバで読んでいたのだけど、泣きそうになって困りました・・・。
ドラマ「富士ファミリー」ではキョンキョンが演じていた幽霊のナスミ。この小説ではナスミの闘病から、死、家族やナスミが関わった人々がナスミの死を受け入れ、そして消化し、ナスミの存在・生き方を自分の一部として受け入れて共に生きていく姿を描いています。
ドラマみたいに幽霊として登場することもないけど、常にナスミの存在はそこにある。
残された人々のなかで、生き続けるナスミ。
その力強い姿に勇気づけられました。
そして、読みながらわたしが思い出したのが、歌人の永田和宏さんが亡くなった奥様(同じく歌人の河野裕子さん)を詠んだうた。
「わたくしは死んではいけないわたくしが死ぬときあなたがほんたうに死ぬ」
といううた。
このうたの「あなた」がナスミの姿にかぶって感じられました。
ドラマと小説で同じ家族を描いているのに、ずいぶん手触りの違う作品でした。
今のところ、わたしの今年のNo1。
とはいえ、そんなに小説読めてないのが辛いところ・・・。
富士ファミリー DVD全2巻セット【NHKスクエア限定商品】

富士ファミリー DVD全2巻セット【NHKスクエア限定商品】

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2017
  • メディア: DVD
たとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫)

たとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫)

  • 作者: 河野 裕子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/01/04
  • メディア: 文庫

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4月の読書メーター [本]

大変お久しぶりです。なんとか生活しています。

今年はろくにお花見する時間もなく、ただただタスクをこなすのに精一杯の日々です。


さて、久々のブログUPは月初恒例の読書メーター。

なぜだが堂場作品が2冊。オヤジ臭いですなぁ〜。

「さざなみの夜」はすばらしい作品だったので、ぜったい別途レビュー書きますよ!


4月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1011
ナイス数:21

潜る女 アナザーフェイス8 (文春文庫)潜る女 アナザーフェイス8 (文春文庫)感想
高畑の悩みはもしかして・・・と思ったらやっぱり!な展開。保護者的な上司も警視庁をさり、息子も成長し、大友が自分自身で自由に捜査にのめり込むさまが描かれ、ああ、次で完結なんだなとしみじみさせられる展開に・・・
読了日:04月13日 著者:堂場 瞬一
絶望の歌を唄え絶望の歌を唄え感想
久々に小説一気読み・・・まったりとした週末を過ごしました。だけど、なんかこう無理矢理感があるなぁとも思ったり。
読了日:04月22日 著者:堂場瞬一
さざなみのよるさざなみのよる感想
蔦屋書店だら読んでいたら止まらなくなり、購入。NHKのドラマ「富士ファミリー」の家族の、ドラマよりずっとずっと長い物語。いのちは、こうして受け継がれていくのだなぁと、胸が締め付けられたゴールデンウィーク前半。
読了日:04月29日 著者:木皿 泉

読書メーター

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